今日感じた「匂い」は、数年先の「なにか」の種になっているかもしれない

 第1回子カバ・第4回カバキャンプにご参加いただき誠にありがとうございました。私自身至らないところが多々あった中で、最後までやり遂げてくれた子どもたち、そして、今回も子どもたちのチャレンジに送り出してくださった保護者の方に感謝申し上げます。

 キャンプでは2名の参加者にけがをさせてしまいました。どちらも、私たちの管理・指導不足によるものです。辛い思いをさせてしまい大変申し訳ございません。また、保護者の方には信頼していただき快く送り出してくださったにもかかわらず、ご迷惑・ご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。今後同じようなことが起こらないよう、今回のプログラム全体を見直し、私たちのあり方を見直し、さらにいい機会を作れるよう改善してまいります。お子さまがけがをして帰ってきてもなお、私たちを思い、言葉をかけてくださった保護者の方には感謝と恐縮の思いです。必ず新しいカバキャンプに変わっていくよう考え、動き続けていきますのでお見守りいただきますようお願いいたします。

 

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 今回は第1回子カバキャンプ・第4回カバキャンプが合同開催だったこともあり、10名以上の子どもたちとチャレンジすることになりました。夜はコロナウイルス感染対策も考え、ビバークを試みました。季節的に夜は冷え込むということもあり、キーアイテムは「寝袋」になりました。裏話ですが、参加者とスタッフの寝袋は用意したのですが、実は私の寝袋はなくなったのです。そこで、自分の寝袋をキャンプの師匠に借りることになりました。師匠には小学校低学年の頃からキャンプに連れて行ってもらったり家に遊びに行ったりと、よくしてもらっていて、貸してもらうキャンプ用品の独特の「匂い」にもすっかり親しみを覚えるようになっていました。


 そして当日夜、「今日は星がきれいに見えるだろうな」と寝袋に入った途端にやっぱり「あの匂い」が飛び込んできました。それだけではありません。匂いに加えて、あの頃の「キャンプの記憶」も飛び込んできたのです。ホームシックで泣いたこと、サイクリングの途中で食べたメロンが美味しかったこと、少し変わって帰ると家族がうれしそうにしていたこと、、、。匂いに連られて蘇った記憶を頼りにしばらく星空を見ながらキャンプについて考えるとてもゆたかな時間を過ごすことができました。まさかあの当時20年後の自分が同じようなキャンプを作っているなんて。


 カバキャンプの「CABA」には当時小学生だった私の「実感」が少なからず添えられています。「ジリツのためにチャレンジし、気づきをもって日常に返っていく」。今回、みんなはどんな「匂い」を感じましたか?匂いは記憶ととても強く結びつくといわれています(プルースト効果というらしい)。匂いは記憶を呼び覚まし、そこには必ず「実感」があるはずです。そしてその実感はあなたをつくる「資質」にもなるでしょう。難しい言葉かもしれませんが「資質」とは、「どんな場面を心地いいと感じるか」です。


 今回は1泊2日と短いキャンプでした。しおり内の振り返りの「新しい自分」がまだ少しわからないな、というひとは「匂い」を思い出してみるとどうでしょう?それをたどっても何でもない「記憶」しか思い当たらないかもしれませんが、もしかするとそれはあなたの「とっても大事な何か」に紐づいているかもしれません。その種はいつかきっとあなたの中で花を咲かせ、力になってくれると思います。

 


保護者の皆さま、いつもカバキャンプにご理解をいただき本当にありがとうございます。
今回も子どもたちはたくさんのチャレンジをし、まだ言葉にならないたくさんの気づきを持ち帰ってくれたはずです。その支援についての力不足を反省しつつも、保護者の方とも子どもたちの変容ぶりについてお話する機会をもてることを楽しみにしています。

今回も誰一人チャレンジをあきらめることなく、プログラムをやり遂げてくれた参加者のみんなも本当にありがとう。
さて。次はどんなところにどんなチャレンジをしにいこう?

2020.9.22
カバキャンプ統括 冨永 岳