oranjeをはじめて3年目を迎える今夏、第1回のキャンプを実施しました。今後も継続していくキャンプをつくるにあたり、どんなキャンプにするか、どういう思いを寄せているか、コンセプトを決めるところから始めました。本当の第一歩目からです。
保護者の方から離れ、生き生きとした身体性を獲得するために些細なことから少し難しいことまで挑戦し(Challenge for Aliveness)、非日常の中の「日常」で得た気づきを日常に戻って活かしてほしい(Back home with Awareness)。
キャンプの名前に込めた「CABA」という言葉は、こんなコンセプトから生まれたものでした。そしてこのコンセプトに沿って、今回は1~3年生向けに自転車30kmのプログラムを作ったのです。まずは、実績もなく未熟なチームで挑むチャレンジングなキャンプに送り出してくださった保護者の方、「いきたい!」と言ってくれた子どもたちに感謝したいと思います。
3泊4日と長いようであっという間のキャンプでしたが、子どもたちの成長速度はすさまじく、一方でやはり興味深いものでした。彼らは明らかに「前日とは違う」すがたを日数分見せてくれたのです。テントをたためるようになったり、包丁を上手につかえるようになったりとスキル的なことはもちろんのこと、チームを支え合ったり、全体を見て動いたりするという点においてもまた大きく成長したと思います。oranjeでは「高度な学び家たれ」とも掲げていますが、その姿を無言で語ってくれていたのでしょう。子どもたちは、すべてを言葉にはしません(なかなか難しい)が、一人ひとりが「自分でする・すべき」ことを無意識に感じ、キャンプ生活を楽しみながら送ってくれました。
そして、スタッフチームはきっとこのすがたを私と同じ気持ちで見てくれたのでしょう。ここ最近、oranjeの教育の形では「父性」がキーワードになると感じていますが、まさに父性をもって子どもたちを見守ってくれました。私の想いを細部まで汲み取り、キャンプを進める上での違和感は準備段階から一つ一つ丁寧に解消し、妥協なく協働してくれたことに改めてお礼を言わなければいけません。最高のチームでした。
私はといえば、正直どこまで役目を果たせたか、必ずしも自信があるわけではありません。準備段階では保護者の方にスムーズにご案内できなかったことや、当日の本部・チーム長として資質不足・力不足を、さらなるレベルアップの課題と捉えています。今後さらに発展していきたいと感じています。
4日間で、「思い出」という言葉では少し足りない、たくさんのずっしりとした情景が私の中にも鮮やかに残っています。その中でも、保護者の方の送り出しと出迎えに来ていただいたときの表情の変化は、独特の印象を受けました。その正体が何なのか、それはまだチームとして、私個人として振り返る必要がありますが、これを報告書の締めにしたいと思います。
本当にありがとうございました。
2019.8.1
oranje代表
カバキャンプ統括責任者
冨永岳
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